Zorki-1 + Industar 22 f3.5/50mm

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 ZorkiがFEDから独立して、モスクワの郊外であるクラスノゴルスクで生産したカメラがZorkiである。この Zorki-1 type-c はそのクラスノゴルスク初期の頃の作品である。このころの作品は、まだバルナックライカの形状を色濃く残している。この後 Zorki3からは Zorki独特の形状となり、Zorki4で一応の完成を見る。私は Zorkiファンとして Zorki4がその完成品と思っているが、これはあくまで私の意見である。でも、やっぱり Zorki4は美しい。

 今回の入荷品は、インドゥスタール22 f3.5/50mm、エルマーのコピーといわれる沈胴式レンズである。沈胴式というのは、どうしてこんなにカッコイイのだろうと私は惚れ惚れしてしまった。私はいつかこういう生産中止になった「古き良き逸品」というものを再生産してみたいと思っているが、とりあえずは今はそんなことをする資金がない。一生ないかも知れないが、夢はいつまでも持っていたいものである。

 そしてまた、このボディというのがとても軽く、それでいて必要最小限の機能がちゃんと揃っていて、素晴らしいことこの上ない。レンジファインダーと、フレーミングのファインダーが別々というのは確かに不便ではあるが、これがまたこれでとても味があって良いのだ。しかもノブ巻き上げ。私は撮るものが撮るもので、あまり速射や正確なピント合わせ、とかは必要ないので、こういうもでも充分楽しめる。というより、こういう不便なものほど、写真を撮る行為を楽しんでしまう。また、こういう不便なカメラを使っているときほど、気に入った写真や、自分にとってのナイスショットが撮れるような気がする。つまり、シャッターチャンスというものは不便なカメラほどたくさんやってくる、という哲学を発見したつもりでいる。

 「一瞬でピントがあってくれるAFでないと、シャッターチャンスを逃す可能性がある」

 とか、

 「巻き上げがオートでないと、シャッターチャンスを逃す可能性がある」

ということは、あまり気にしなくても良い。そうでなければ、ブレッソンが M3+50mmで、決定的瞬間など撮れるわけがないでしょう。不便なカメラを使っているときには、その分気迫というものが通じてくると信じよう。神様っていうのは、あれはあれで、なかなか粋なやつなんだ。ホントだよ。

 まぁ、こういうことはどっちでも良いが、粋なフルマニュアルカメラを使う時には、操作はスマートにこなしたいものである。被写体を見つけて露出計を取り出して、おもむろに露出を計って、カメラの絞りとシャッタースピードを決める、という格好悪いことは絶対にやめていただきたい。また、ファインダーをちんたら覗いて、ゆっくり、正確に距離を合わせて、やたら時間をかけてフレーミングをする、という行為も金輪際謹んでもらいたいものである。

 サッと、カメラを取り出して、一瞬のうちにシャッタースピードと絞りを経験値で合わせて、距離もファインダーを覗く前にあらかじめ合わせておき、レンジファインダーを覗くのは一瞬の微調整、フレーミングはこれもまた神業の如く素早く、そしてシャッターリリース:

 カション......。

 そして、何事もなかったように、タダの通行人として過ぎ去っていく。

 いかがなものだろう?こんなスマートにレンジファインダー・フルマニュアルカメラを使いこなしている人間を見てしまったら、私は惚れ惚れしてしまう。

 ここでまた私は一つ主張したい

 こういうことは是非、女性にやっていただきたい

 LOMO LC-A が使えるのである、後もう一歩の努力で、フルマニュアルカメラなど使いこなせるに違いない。しかもこういう古いタイプのカメラは何といっても軽い。女性にもお勧めである。ステキな女性がこういうカメラをもってスマートに使いこなしていたら、それはもう、最新型のAF一眼レフをこれ見よがしに持ち歩いているオヤジなどより、数百倍カッコイイと思うよ。

 まぁ、私の予想として、カメラオヤジはそういう女性を見て、きっと声をかけて色々蘊蓄を傾けようとするだろう。

 適正露出を得るにはどうのこうの、から始まって、

 露出補正は、どうのこうの(フルマニュアルには「露出補正」などという概念はない)、

 カラーネガしか使わず、モノクロは自分で現像も焼き付けもやったことないくせに、フィルム選びの話がゴチャゴチャと続き(モノクロ現像ぐらい簡単だから自分でやった方がいいぞ)、

 MFかAFかとか、どっちでもいいことに話は発展して(自分の好きな方を使えばいいだろうが)、

 最後はだいたい、「やっぱりズームは便利だよ」で話は完結する(良かったね...実話)。

そんなときにハナでヒトコト言ってやって欲しい、

「男だったら 50mm一本で勝負したら?」

 こんな女性がいたら、私は絶対にその場でシビレてパンツを濡らしてしまうだろうな。私の代わりに、こういうわけのわからんカメラマンベストを羽織って、変な帽子をかぶった勘違いなオッサンを一喝してやって欲しい。あんたは女性の感性から見てかなり格好悪いよ、とハッキリ言ってやって欲しい。私のような 30歳程度の若輩者では全然太刀打ちできないんだ。

 なぜ、こんな事を書いているのかというと、私の放出品を買われていく方で、最近女性が目に見えて増えているのである。それも FED5Cとかだ。これにはウクライナの卸元の人間もビックリして、

「日本の女性はとても素晴らしい」

と驚嘆していた。日本の女性は、AFコンパクトカメラなどすでに飽きたらず、こういうカメラを果敢にも使いこなす世界でも稀に見る素晴らしい存在なのである。ちなみに女性はカメラを持つときでも、カメラマンベストを着ないし、よたった帽子もかぶらない。あくまで普段の延長でさり気なく写真を撮っている。とても素晴らしいことだ。ちなみに私のロシア人アシスタントレディは一時期

「EOSが欲しい」

と騒いでいたが、私がこれらの素晴らしい日本女性たちの例を挙げ、

「お前もまずフルマニュアルカメラで修行せよ、EOSは 3年早い」

と一喝して、現在、Zorki-4K+Jupiter-3 f1.5/50mmという組み合わせで修行中である。最近はまともな作品も撮れてきて、この分では私などを追い越す日もそんなに遠くないだろう。(下は彼女の作例)

 また、あまり関係のないようなことを書き散らかしてしまったが、今回はこんな所で、お開きに致しましょう。それでは、作例をお楽しみ下さい。