Kyocera T Proof
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Last updated: 2000/06/07.
| 久しぶりにページを書き直す気になった。 このカメラを使っていた頃からだいぶ経ってしまい、私は写真の撮り方さえすっかり変わってしまった。 一昔前のデザインで、初心者向けっぽい作り、しかもボディはフルプラスチックと言っても良い。どう見ても安物コンパクトカメラの雰囲気満点である。 しかし、このカメラはなぜ騒がれるかというと(騒いでいるのは私だけであろうか)、何といっても Carl Zeiss Tessar 35mm/f3.5 T* レンズが搭載されているからだ。カールツァイスレンズというのは高いという印象があり、実際ものによっては数百万円という私の収入とどっこいかも知れないすごいものがあるが、なぜかこんなちんけなカメラにくっつけてしまっているのはビックリである。 とりあえずカールツァイスと言われたら、それが好きな人も嫌いな人もちょっと怯んでしまう。世界で一二を争う光学機器メーカーと言ってしまってもよいだろう。日露戦争当時、連合艦隊司令官である東郷平八郎提督はカールツァイスの双眼鏡を愛用していたそうだ。関係ないけど、最近の教育のせいで日本軍のことをバカにしている人間がいるが、東郷平八郎提督は、欧米でも評価が高く、実際私があったロシア人はバルチック艦隊の司令官であるロジェストウェンスキーの名前を知らなくても 「アドミラル・トーゴー」 その名前はよく知っていた。彼に言わせると、東郷提督がずば抜けていたので、対馬海戦でことごとく沈められた、と言っていた。一種の畏敬の念である。大和民族は立派な先人を持って幸せである。まぁ、表面的な欧米気取りも良いけど、欧米人は歴史を知らない人間は教育水準が低いくらいに思うから、アドミラル・トーゴーは対馬海戦で連合艦隊を率いたことぐらいは知っていた方が良いと思うな。 それはとりあえず Tプルーフとはあまり関係がないから良いとして。良いレンズを積んでいる、それは写真というものの本質をついていることなのである。 よく言われているように、写真を撮る要素として、一番重要なのはレンズである、とはよく言われることである。私もとりあえず賛成しておく。じゃぁ、良いレンズでなければ良い写真が撮れないのか、と言われるとこれはちょっと難しい問題になるので、私には手に負えなくなる。 でもレンズは良い方がイイ。パノラマ機能がついていなくても、カメラのホールドがちょっとぐらい悪くても、レンズが良ければそれで我慢ができる、というものである。 レンズが果たして本当に良いのかどうか、これは私にはちょっと云々しがたい問題である。しかし、良いか悪いかは別にして、これは好みの問題なのだが、カラーで信じられないほど強い色ノリが楽しめる。ついでに言わせてもらうと、このテッサーレンズは周辺光量が落ちる。これは晴れた空を撮ると顕著に現れる。周辺光量落ちは嫌う人は大嫌いだろうが、雰囲気のある写真が撮れるときがあり、私としてはそれはそれでいいのではないか、という気がする。 さて、T-プルーフは、先代の Slim-Tとは違い、生活防水という有り難い機能がついている。しかし、Slim-TからSlimの文字が消えたように、かなり太った外観である。これはヒトコトで言うと格好悪い。Slim-T並の外観で生活防水をつけて欲しかったところだが、無理な相談だったのだろうか。もしかして、ニューアングル・ファインダー(一種のウェストレベルファインダー)をつけたためにこうなったのかも知れない。ニューアングル・ファインダーも便利と言えば、便利かも知れない。 問題点として挙げられるのは、AFが異様に遅い、と言うことであろう。シャッターボタンを押してからレンズを繰り出して、シャッターがやっと切れる。このタイムラグは私にとって致命的でさえある。スピードスナップは絶対に無理だ。そのためこのカメラの出番は極度に少なくなってしまった。とても残念なことである。私は最近ローライ35LEDがこのカメラに取って代わってスナップカメラとなっている。関係ないが、ローライ35はピント目測なので、非常に速い。 私が各ページでフルマニュアルカメラがAFよりもある意味速い、と書いているのはウソではない。AFオートカメラは、カメラを構えてから全てが始まる。何が一番時間がかかるかというと、ピント合わせ。これを機械がのんびりやっていると、スピードスナップは不可能。その点、ピント目測フルマニュアルカメラは、カメラを構える前に全てを決める。カメラを構えた後はシャッターを押すだけ。速いのは当然の理屈である。しかし、長ダマを目測で使ったら速いか、とかそういうのはちょっと無理なので、あくまで広角〜標準レンズでの話である。 まぁ、スピードスナップが写真の全てではないのは当然であるし、私のように被写体からひんしゅくを買いかねないスナップをしたくない、という意見があるのも承知している。ゆっくりスナップするのも良し、動かない被写体を撮るのも良いとおもう。 私がこのカメラを使うときは、生活防水機能を生かした雨の中の撮影。これを持って、雨の中で神社仏閣を撮ると独特の雰囲気が出て、よく晴れた日にカラーフィルム、という組み合わせとはかなり違った写真が撮れて興味深い。もちろん、フィルムはISO400を入れて、ストロボはOFFで使っていただきたいところだ。ストロボを使うとせっかく雨の日のしっとりとした雰囲気とトーンをぶち壊しにしかねない。暗ければ何でもストロボを使う、というのはちょっと考え物だと思う。
こうやって見るとやっぱり良いレンズみたいですね。 それでは、成功を祈る。 |