海鴎 203
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| 名前の通り、中国製のカメラである。私のページは、出来れば世界中の不思議というかユーモラスというか、ふざけたカメラをレポートしたい、というのが本音だが、圧倒的にソビエト/ロシア製のカメラが主体となっているのは、私も、もうちょっと何とかしたいな、と思っているが、まぁ、これは今現在エレーナとアレクサンドルというスタッフがいるからで、できることならそろそろ東欧圏のカメラや中華圏のカメラにどんどん進出したいところなのである。まぁ、最近あまりコンテンツが増えていかないのは、私が最近ずっと思うように写真が撮れず、ヨタ話も書けないからという理由も大きい。 さてさて、海鴎、というのは、一番有名なのが二眼レフなのではないだろうか。これはテクサーというブランドで日本でも販売されており、新品の入手が可能だ。確かテクサーというのはイトチューか丸紅のブランド名だったと思うが、忘れてしまった。そこが輸入代理をやっていてテクサーというブランド名で売っているのだと思った。海鴎二眼レフは、新品はなかなか大したお値段で、まぁ、これはこれでブローニー判だから結構よく写るのだが、同じような値段でローライコードの普通程度の中古が買えてしまうので、よほどの物好きとかお金が有り余っているとかでもなければローライコードを買った方が後腐れがないと思う。ちなみに私は一度海鴎の中古を買ったことがある。これは13000円だった。まぁ、妥当な値段だったと思うが、そのうちにローライコードを手に入れて、それが中判カメラの主力に取って代わった。あっけない幕切れである。 中国製というと、私は製品の品質を根本的に信用できないのだな。私は昔(でもないのだが)北京に半年ばかりいたのだが、そのとき中国製品というものが何ともならない事を身をもって知った。まず自転車。ご存じの如く現代中国で一番大切な交通は自転車だ。新疆ウイグル自治区とか内モンゴル自治区はラクダや馬が主力交通機関なのかも知れないが、都市部だったら自転車がないと始まらない。中国に長居をしようと思ったら、まず自転車を手に入れる。その次に小さめのフタがついた鍋。なぜ鍋?という話は長くなるので、ここでは省略する。この自転車からして何ともならない。 私が自転車を買おうとしたとき、周りのみんなが 「高くても日本製か台湾製の自転車を買った方がいいですよ」 という有り難い忠告をしてくれたのだが、自転車というのは非常に簡単な構造で、だいたいどこが故障するところがあるのだろうか、とタカをくくって中国製の自転車を買ってしまった。 これでまず躓いた。 自転車屋で自転車を買うときに、店の親父が、スパナであちこちのボルトやネジを「グイッ、グイッ」と締めてから渡してくれたので、私は安心して、 「イエーイ!オレ様は中国人民よりも自転車転がしは上手いんだぜ!!」 と調子づいて走りながらウィリーやろうとして、ハンドルをグイッと持ち上げたら、何とあっけなくハンドルが引っこ抜けた。運悪くすれば、そのまま勢いあまってバックドロップで自爆状態だっただろう。北京の路上で、日本鬼子(大陸の連中がよく使う日本人の蔑称)が自爆していたら、どれだけ恥ずかしいか、怖くて想像もしたくない。 この思わぬ展開に、私は唖然というよりも 「哀呀(ァィャー)」 という感じだった。 「しょうがねぇなぁ」 と自転車をすごすごと引っ張り、店まで戻って直してもらった。 まだこの程度なら、大したことはない。直してもらってから、自分の宿舎まで戻ろうと、今度は大人しく自転車をこいでいたら、500mも走らないうちにペダルが外れた。私はここで怒り心頭、 「あの野郎ブチ殺してやる」 と、即刻国外退去を覚悟して、熱い怒りを焦燥しながら、もと来た道を真っ赤になりながら自転車を引っ張って、店に乗り込んだ。ブルブル怒りをふるわせながら店の親父を口汚く罵り、思わずスパナを奪って殴りつけてやろうと思ったが、それは何とか思いとどまって、スパナをひっ掴んで、自分ですべてのボルトを締め直してようやく家路につくことができた。 これ以上書くとしつこいが、ちなみに3日後にはタイヤがパンクした。2週間以内にチェーンが外れた頃には、私は自転車に乗るのは諦めて、交通はタクシーが主流となった。 自転車だけではなく、まだまだ中国製品でひどい目に遭った経験は多々あるのだが、まぁ、一事が万事この調子で、とにかく中国製品だけは信用ならない、という思いは身をもってわかった。そしてこの自転車屋を皮切りに、私の半年の短い中国生活は、喧嘩に始まり喧嘩で終わった。どうも私は大陸で生活するには気が短すぎるようだが、中国に生活するほとんどの外国人が「もうこんな所イヤだ」と思っているのが実状である。ウソだと思うのなら、実際に中国に行って一ヶ月でも現地で生活してみて欲しい。TVで見たり、漠然と思い描いているあなたの中国とは完全に違う世界がそこにはある。 また、ちょっと全然関係ない話なんだけど、TVで思い出した。その昔、ヨコハマ中華街の超有名料理人で「周富徳」という人がいた。今もいるだろうけど、TVにちょくちょく出ているのかどうか私は知らない。その「周富徳」が、とあるTV番組で中国を取材していて、刀削麺という、小麦をを練った固まりを肩にのせて包丁でそれを削りながら、鍋の中に入れていきながら茹でる麺、を見て 「これはとても珍しいものですねー」 と言って、しきりにTVカメラに向かって感嘆していた。 実は北京の路上では汚いオッサンが、ドラム缶に火をくべて鍋の湯を沸かしながら、シャーッ、シャーッ、と刀削麺を作っている光景をあちこちで見かけることができる。珍しくも何ともない。ただの山東料理だ。ウソばっかりである。メディアの言っていることなど、絶対に鵜呑みにしてはならない、といういい証拠だ。 実際食べてみたら猛烈な腹痛と下痢が襲いかかり、日中友好病院で処方を受けて、 「命が惜しかったら二度と路上で飯を食うな」 と医者に散々クギを差された。衛生観念の違いも中途半端ではない。 まぁ、そんなことは、とりあえずどっちでもいいんだけど、とにかく私は中国製品というものに根強い不信感がある。しかし、もちろん最近の日本には中国製品は気がつかないところで散々出回っている事は私だって知っている。今の日本の生活は、衣料や電気製品、日用品など中国製品を避けて通ることができない。しかしながらこういう輸出向けの製品は、ちゃんと日本に入ってくる時点か、工場を出る時点でちゃんと信頼できるスジが品質チェックをしているので、それなりに安心して使うことができる。例えば松下電器は中国で工場を持ち電化製品をそこで生産しているが、当然日本式の品質管理体制を持ち込んでいるのは間違いないだろう。 ではつまるところ、何が一番問題なのかというと、海外に製品を輸出しない、という前提で作られている中国製品、これなのである。たぶん品質管理も何もないだろう。ただ作って市場に流すだけ。日本ではおおよそ考えられないが、大体これがまかり通っている。実は中国だけではない、ロシアやそのあたりも大体似たようなものだ。いつまでたっても自力では西側製品と肩を並べることができるような製品ができない。もともとやる気がないんだからしょうがないけど、社会体制が悪いと、製品も人間もダメにしてしまう、といういい証拠だ。 まぁ、この海鴎はどうか、というと、まあまあだな、という感じだ。特別悪くはないんだけれども、特別よい、というほどのものでもない。昔のマミヤ6のパクリという風合いで、6x6の蛇腹フォールディングカメラ。何というんだろうな、これといった顕著な特徴がない。ソ連製の6x6蛇腹カメラでは Iskraが似たようなカメラだが、なぜか不思議なことに「イスクラ」は「ちょっくら」使ってみるか、という気になるのは、私にもその理由はイマイチよくわからないところだ。人間の感情というのは難しい、理屈では説明できない直感的な部分が多い。 だから海鴎も、人によっては「これ、なかなかいいね」と思われる可能性も大きい。もちろん、6x6だからその大きなフォーマットで、ちゃんとシャープに写るし、ボケも汚くないし、ちゃんと写る。何が問題か、と言われても、これといって指摘するところがない。実用ならもう十分だと思う。 一本撮ってみたんだけれども、あまり強い思い入れがないから、やっぱり出来上がりもかなり適当なものだった。一枚ぐらいは載せておこうかなぁ、というおざなりの写真で、まるで赤瀬川源平先生の「こんなカメラに触ってみたい」の書き損ないを焼き直しした、みたいなページになってしまった。赤瀬川先生も、ネタがなくなると、というか、あまり思い入れが強くないカメラだと、作例が 「我が家の庭になったサヤエンドウ」 とか、まるっきり力が入っていないもんな。原稿を書いていて、そのまま窓を開けて一枚だけおざなりに撮っておいた、という「いかにも」という感じで、いやぁ、やっぱり大先生も苦労されているのだな。何となくその気持わかるな、というところでお茶を濁しておきましょう。 とりあえず、私も庭にサヤエンドウがなっていたら、それをつまみに青島(チンタオ)ビールで一杯やりたい、というところかな、、、って、やっぱりまるっきり力が入っていないな。輸出ものの青島ビールは美味しいですよ。 |
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| というわけで、今回苦し紛れに赤瀬川先生ふうにスケッチのようにカメラのイメージを載せて、お茶を濁させていただきます。実際にスケッチしたのではなく、Photoshopで加工しました。 Photoshop万歳、という感じですけど、こんな事ではみなさん納得されないと思いますので、とりあえず以下作例も数点載せておきます。あぁ、ホント済みません、って私の人生は謝ってばっかりです、、、トホホ。 一応カメラの概要だけでも書いておきます。 海鴎(Seagull) 203 レンジファインダー式、蛇腹フォールディングカメラ レンズ : S-111-2 f3.5/75mm シャッタースピード : B, 1, 2, 4, 8, 15, 30, 60, 125, 300 絞り : f3.5 〜 f22 フォーマット : 6 x 6、6x4.5 フィルム給送 : 赤窓確認方式 |
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| 最短撮影距離まで近づいたものですけど、後ろのボケは悪くないと思います。 絞りは忘れましたけど、開いたのは覚えていますので、F5.6あたりだと思います。 |
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| ピントも合わせたところにちゃんと来ていて、その部分の存在感もちゃんとあります。 |
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| コントラストは、低めなのかなぁ。モノクロフィルム自家現像だと、私の場合そのたびに出来が違うので、何とも言えません。 |
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| こんな作例載せて恥ずかしくないのか、と言われてしまえば、いやもう全く仰るとおりで、私は何とも言いようがありません。 次回のコンテンツはもうちょっと気合いを入れますので、今回はこのへんで勘弁して下さい。 |